コラム

先日は、京都市左京区にある、とあるお寺の例年の手入れでした。主に松の手入れですが、この時期は葉むしりです。今頃の松は寒くなってきて、松独特のヤニが出るのが落ち着きます。むしりやすい時期ですね!

お寺の松の手入れ(京都市左京区)
▲ シート養生をして葉むしりを行う。大きい立派な松。

先ずは、松の下辺りにある低木類の剪定。これは人によって違いますが、私は先に終わらしてシート養生してしまいます。後でも大丈夫ですが、今日は松以外にする事が沢山あったので、なるべく掃除時間を短縮する為に低木類は先にしてしまおうという選択でした。
松葉が落ちる場所は必ずシート養生をします。下の木に松の葉が入り込むと、取るのに大変な時間がかかります。そして脚立なりハシゴなりを一番登りやすい所へ掛ける。
葉むしりの基本は天端から順番に。下枝からやったら後で掛かり葉を取らなくてはいけなくなり、スカッと仕上がりません。それに、松葉はデリケートですので何度も触られたらモモけて(クチャクチャになる事)しまいます。
順番は大事です。松は時間がかかります。ちょっとした事で20~30分変わります。
時間は無駄にはできないですよ。今頃は暗くなるのも早いし、手先は常に大忙しです!だから気温は寒くても手は暖かいですよ。(勿論素手)
松って大きいから時間がかかるとかじゃ無いんですよ。葉性の加減で小さい松でも中々手強いヤツがいます。あまり力を入れずパラパラとむしれる葉もあれば、硬くてヤニも沢山出てくるのもあります。そんなのと1日相手していたら手がいたくなってこむら返りがおきることも!

お寺の松の手入れ(京都市左京区)
▲ 三脚をかけて松の葉むしり。

お寺の松の手入れ(京都市左京区)
▲ 松の掛かり葉がその辺に引っかかると取るのに大変な労力がかかる。

丁稚の頃は松なんて触らしてももらえませんでしたし、どういう風に手入れしているのか、休憩時間にきいても実際やらなきゃ分かりませんよね!
植木屋さんの丁稚も初めは掃除からです。早く掃除出来る様になって、ちょっと空いた時間にちょこっと丸物(サツキ、ツツジ等)をやらせてもらって、更にその時間もクリアーしていくとちょっと鋏物(カシ、椿等)…。
中々、松を触らせてもらうまでは長い道のりでした。でもそれが良かったんです!どんな仕事もいきなり花形の事はさせてもらえない…。丁稚の頃のあの時間は私にとってサイコーな時間におもえます。

私が管理させて頂いている木は何十本何百本とありますが、この松は20年位のお付き合いかな?だいぶ太くなって松独特の幹肌になってきました。貫禄が出てきました!一つの株から二手に分れて樹形を作っていて、下から見るのが一番好きです。霜月の青空に松葉が映えます!

お寺の松の手入れ(京都市左京区)
▲ 貫禄のある松です!

毎年この時期は寒い日が続いて外仕事も段々と寒さが堪える様になってきます。しかし忙しく体を動かし作業していると汗ばんできます。それくらい体を使います。やる事多いが日は短い!11月辺りからお正月に向けて植木屋さんは大忙しで、朝早く現場に向かってトラックを走らせていると、沢山の植木屋さんとすれ違います。やっぱり皆朝は早いですね!ウィンタータイムです!?
どんなお仕事をされてる方も、年末に向けて毎日気忙しいと思いますが、皆さん、怪我や事故に注意して、丁寧な仕事で頑張りましょう!