延床面積約100坪超の旧家を、2世帯住宅にリノベーション。施主様のお爺様が、材木にこだわって建てた木造2階建て住宅で築40年以上経っていたが、現在の住宅では滅多にお目にかかれない程の木材を使用しており、虫食いなども非常に少なく状態がとても良かった。年数的に新築を検討したりもしたが、ご家族の思い入れもあり、必要があれば構造補強していくという事で、リノベーションで進める事となった。
現代の住宅にはなかなか無い旧家の味わいと、間取りや使い勝手など機能性、断熱や土間コン(湿気が家の中に上がってこないように)など性能の向上、昔と今のいい所を併せ持つ住宅を目指した。
また、家と同時にお庭の設計も行った。元々1Fからだと、客間の和室からか既存キッチン前の窓からしかお庭を眺める事が出来なかったが、キッチン位置を変え、新しいリビングからお庭を眺めたり、新設するウッドデッキに出られるようにした。2Fからも木が見えるように、高さ7m超の樹木を植えることにし、元々下屋だった部分に2F LDKから使えるウッドデッキを造り、2階に居ながらも庭を近くに感じることが出来るデザインにした。
1Fはお母さんの住居スペース。薄暗い印象だったが、開口を増やしたり大きくし、壁を白くしたことで随分と明るくなった。床は濃い目の落ち着いたウォールナット突板フローリング、天井はガマ芯パネル、キッチンカウンターや家具は木製で、明るくも落ち着いた空間に。和室は用途的にも仏間と客室に必要だったので既存のままとし、廊下に設けられた4枚引き込み戸を全開すると、LDKと大きく一体の空間で使う事が出来る。繊細な作りの既存の障子が、以前に増して引き立って見える。
2Fは息子さんご夫婦の住居。LDKは天井を取っ払ってしまい開放的な空間に。可動梯子で大きなロフトに上ると、屋根を一部切欠いて造った琵琶湖を一望できる物見台に行くことが出来る。とにかく明るいのがいいという希望で、閉じられていた南側の壁は出来るだけ窓を開けた。ウッドデッキに繋がる4枚引き込みの木製窓はフルオープン出来、デッキをリビングの一部として利用出来る。
また、計画段階では、闘病中のお父様が生きておられたこともあり、移動が車椅子になっても生活しやすいよう、工夫している。今までご自分で家と庭の手入れを幾度となくやってきて、これが最後と、工事をとても楽しみにされていた。親しみ深い既存の仏間から、生まれ変わったお庭とお母様の居るリビングを眺めておられるだろう。
エリア | 滋賀県大津市 |
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プラン | 既存○○○LDK→○○○○○○ |
リノベーション面積 | 90坪 |
構造 | ○○○造・○○○階建て |
家族構成 | ○○○ |
築年数 | ○○○ |
費用 | ○○○ |
施工 | 株式会社 studio Lynx |
家具 | HOFF&Co. |
BEFORE