鹿除けの塀と、使いづらい斜面を、思い切り楽しい風景にしようと考え、設計・施工した。
まず、木塀は板と板の隙間を多く取り、明るく、風通しがいいように。次に斜面には石を配置し、ロックガーデンに。植栽とのバランスで、石があまり主張しすぎない程度の数に抑えた。土留めの役割も担っている。石を据える場所は何度も離れて観て据えた。

元々新築当時に植わっていた庭木は庇に積もった雪がちょうど落ちてくる場所にあり、移動させる必要があった。新しく植える庭木も含めて、バランスが良くなるよう移動した。また、大屋根の樋の排水がされておらず、雨のたびに水が溜り、大雨の時は斜面に向けて水道が出来、地面が陥没したりしているという事で、リフォームを機に排水工事も行った。大雨でも水が溜まる事がなくなり、快適かつ安全になった。

また、ガーデニング好きの奥様だったので、ハーフビルドをお勧めした。ポイントになる低木などある程度最初に植えたが、その他の植栽は施主様が少しずつ楽しみながら植えている。宿根系の植物は、春になれば芽吹いてくる。種を落とす花は来年もまた新たな花を咲かせてくれる。強い植物で地面が覆われていると、余計な雑草が生えにくく、時々手入れをしているだけで、自然な美さなら保つことが出来る。植物や土を触る事が好きな方なら、ハーフビルドはコスト削減にもなるし、何より、楽しめるのでお勧めである。