施主様のお姉様御家族がイギリスコッツウォルズ地方にお住まいで、その風景がとても好きで、自身の庭にも石積みをしたいとのことだった。コッツウォルズの石積みは蜂蜜色の平たい石で小端積をするのが特徴であるが、それを真似するのではなく、新築の家と自然に馴染むこの場所の風景を造りたいと考えた。
まず土留めはメインとなる小端積、しかし石材には国産の宇治石と粘板岩を使った。まっすぐな直線と緩やかなカーブ、そしてあぜ道を思わせるスロープ。空間の使い勝手を考えて生まれてきたプランだが、機能と風景としての面白さを持たせる事が出来たのではないかと思う。数年後、石垣の隙間からシダやツタ類など、様々な植物が生えるように、天端以外はセメントを使っていない。
石垣の下はすぐに駐車スペース。ここで土間コンなど打ってしまうと一気に興醒めという事で、砂利安定材と錆の入った砂利で仕上げた。左官仕上げに比べてローコストな事も魅力だ。オブラートに芝生。駐車スペースは、いつも車が停まっているわけではなく、むしろ日中は無い事が多い。車が無いときも風景となるよう、考えている。
シンボルツリーには自然形の株立ちのカツラ。家とのバランスを考え、少し大きめのものを選んだ。2階のリビングからも見えるので、大変喜ばれている。ハート形の葉は、秋に黄葉する。玄関アプローチの階段は御影石。道路から段差がかなりあったが、踊り場を設けて緩やかに上がれるようになっている。木塀は建築に合わせて、ウエスタンレッドシダーにエコウッドトリートメントという自然保護材を塗っている。
お庭が完成し、ご主人が自然と庭に出る事が多くなり、水やりや芝生のお手入れをしてくれるそうだ。緑に癒される、ゆっくりとした時間を楽しんで欲しい。
type | フロントガーデン |
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plan | 新築外構 |
area | 約36坪 |
area | 滋賀県大津市 |
price | 200~250万 |