舞鶴で町屋再生など、まちづくり活動をされているKOKINさんプロジェクト。西舞鶴は平野屋商店街の中にあり、シャッターが閉まって数年経つ薬局からチャレンジショップへのリノベーション。

「チャレンジショップ」なので、カフェ、バー、物販店、ギャラリー、イベント会場など、様々な使われ方が想定される。最初に7～8案、色々なバージョンのプランを描いた。それを元に現地での打ち合わせや電話のやりとりなどで、具体的にプランが進んで行った。
プランは、フレキシブルでのびやかな間取りをイメージしたと同時に、「無難な空間」にならないように気をつけた。

この店が一つの点となって、点と点が繋がって、街が段々と元気になって行くように、少しでもこの活動の話題作りのお手伝いに役立つように、面白い空間にしたいと思った。

まず、キッチンスペースと客席を分けるハイカウンターは斜めに伸ばし、店内がソフトにのびやかに使えるよう配置した。ハイカウンター裏の壁は無難な白ではなくあえて着色したいと思った。KOKIN代表が緑好きという事もあり、合板貼の上に直接オスモカラーの緑を塗った。通りに面したローカウンターは中から外へのアピールにもなるようなイメージ。展示品を置くと、道行く人の目に留まる。ハイカウンターには無垢板の天板を、店内のテーブルはすべて鉄製の脚と板で作った。既製品にはない粗々しさが、雰囲気作りに一役買っている。
大テーブルの天板はJパネル。断面は三層だが、表面は無垢の接ぎ板のようで、無垢材より安価で反りにくいというメリットがある。また、元々ステンレスの自動ドアだった入り口は木製引き分け戸に変えた。FIXガラスのアルミサッシは既存の上黒く塗っただけだが、随分印象が違う。
照明はあえて暗めに設定し、ムードを重視した。業種や昼夜、フレキシブルに対応するという事で調光出来るようになっている。

内装工事は、活動の一環としてワークショップ形式を取り入れ、KOKINメンバーの大工さんなどの指導の下、地域の方々がペンキ塗りと、足場板古材の床貼りを行った。和気藹々と、それでいて真剣に。多少の塗りむら、不陸も、また味である。

PLAN

BEFORE

AFTER