「雨が降るたび池のようになる部分が有るから、なんとかしたい。」
お仕事でされているセッションや会食等、日々お庭を活用されているお施主様から、お庭の部分改修の相談を頂きました。
▲ 施工前
お庭の水はけを良くするために、暗渠排水で自然浸透させて雨水を逃がす工事を行う事になりました。排水工事の化粧として、砂利安定材の上に砂利敷きのアプローチを提案させていただきました。アプローチの形は、肩肘張らないナチュラルなお庭にマッチするように天の川のような曲線で。施主様からも的確に要点を伝えていただいたので、機能とデザインを両方兼ねそろえた最終の仕上がりが頭の中でまとまるまで時間はいりませんでした。
▲ 暗渠排水工事
沢山のお客さんを招いてセッションされる日が決まっていたので、見積、発注、段取りは手際よく、後は天気をいのるばかり・・・。
工事初日、朝方まで降っていた雨もすっかりやんで、絶好の工事日和になりました。もう一度施主様と「天の川」のラインを確認して、掘方開始!掘った残土を一部お庭の地盤が低い所へ持っていき、掘りながら、残土を運びながらグリ石を入れながら作業は進んでいきました。お庭の入り口が人ひとり通れる所しか無く全ての資材、発生残土はそこから小運搬です。一日で何回通ったのだろう?(笑)
▲ 若い職人さんには、スマートな足の運び方や、身のこなし方を普段から徹底して言っています。最近は途中で残土や資材を落としたり、物に当たって行くことも無く、そういうことが、だんだん出来てきて、円滑に作業は出来たと思います。
今回、「天の川」部分は人が行き来するアプローチ部分になりますので、従来の防草シートを敷いて砂利の敷均しだけでは、歩いた後砂利がすぐに逃げてしまうので、砂利安定材をお薦めしました。
▲ 砂利安定材グラベルFIX
この商品は、元々オランダ生まれの商品ですが、近年日本でも入手できます。ハニカム構造の底面に防草シートが張り付けてあり、草が抑制されるのと一石二鳥です。自在にカットできるのでお庭部分で多い曲線などにカットするのにももってこいです。
私もお庭の仕事で砂利敷のお庭はよく知っていますが、この砂利安定材グラベルフィックスの歩き心地はちょっと違います。これは実際歩いて感じる事で、言葉には中々つたえにくいものがありますが、ソフトでも無くハードでも無くちょうどいい。ナチュラルなままを残して、機能的に向上することが出来ます。普通の砂利敷と歩き比べれば一目瞭然です。この商品にも長所もあれば短所もありますが、今回の現場では適材適所だったと思います。砂利安定材のかまちにはさし石と玉リュウで化粧しました。
▲ タマリュウと差し石
砂利安定材の中に入る砂利は、幾つかの砂利のサンプルの中から選んでいただき施主様のインスピレーションで白川砂に決定!石は濡れた時は違う表情を見せてくれます。これからの季節は木々や下草類などの芽吹き、動植物などの活動する季節に入ります。
春夏秋冬それぞれ好みの季節はありますが、春ほど生命力みなぎる季節はありません。冬が厳しいほど待ち遠しいですね。新緑の頃、若芽や土の匂いまで五感を通して生命を感じられるそんな日常のちょっとした余裕は持ち続けたいですよね!
今回、工事が終わって感じたことは、お庭に対して興味も関心も無ければ雨降りに水たまりができるというだけで何も生まれませんが、家の中も外も一緒という事。生活とは快適さや豊かさを出来るだけ多くの人とわかちあえるという事。
工事の次の日早速雨が降りましたが、水たまりができるどころか、足元が快適になり、セッション当日は快晴に恵まれ、喜びのメールを頂戴しました。
▲ 完成直後の写真