設計段階から計画させて頂いた庭でした。建物は新築ですが、木造で風格があるので、植栽についても最初から少しでも落ち着きのある雰囲気をつくりたいなという想いでプランしました。まずは店舗から見える近くの緑は、ポイントで高さ5Mくらいのものを。低木類も十分に、足元にはいろいろな種類の宿根草を植えています。
店内へのアプローチは延べ石を敷いています。この材料との出会いがあったからなのですが、あえて不揃いのサイズを使う事で芝と良く馴染んで見えます。厚さは目には見えませんが、歩くとずっしり安定感を感じます。
マルシェなどのイベントも出来るようにとつくった芝生の広場の向かいには、高さ7Mのイロハモミジとヒトツバタゴを。大きな木を植えることで、まるで何年も前から元々あったような感覚になります。大きい木の移植は気を使いますが、庭に太い木があるというのはとても魅力的です。
なかなか、このような大きい庭のあるダイニングというのは珍しいと思います。というのも、このKAN,MAというところ、実はダイニングだけではないのです。ここは、奥に10棟分の区画がある分譲地の中の、入り口に位置する部分なのです。風景をつくりたいという想いの大きなプロジェクトの一角なのです。2021年この記事を書いている現在、分譲区画はもう少し空いていますが、住宅が建ったり美容院が出来たりしています。KAN,MA Diningは、住人や美容院に来る方、舞鶴の方たちで賑わっていて、きっとこの庭で少し癒されたりしているのかなぁと想像して喜んでいます。
これからもっと木々は成長し、潤いは増していくでしょう。そして空き地にもすこしずつ家が建ち庭ができ、KAN,MA村全体が、経年で少しずつ変わっていくのが本当に楽しいです。
建築設計:横内敏人建築設計事務所 企画・建築施工:大滝工務店 造園:植威 写真撮影:二村写真事務所